2016年12月25日日曜日

政治的駆け引きとしての真珠湾訪問

日米の歴史学者50人程が安倍首相の真珠湾訪問に関連して質問状を送付し、『真珠湾攻撃で亡くなった米国人を慰霊するのであれば、中国や朝鮮半島、アジア諸国の戦争犠牲者も慰霊する必要があるのではないかと訴えかけている。』
と、報道されています。安倍首相のみならず、彼を迎える米国側も、この出来事を日米間の政治的駆け引きとしてしか見ていない、としか思えません。日本が仕掛けた大東亜戦争を本当に悔いているのならば、日本軍による犠牲者は、質問状にある通り、米国人に限りません。
ちょうど昨年の今頃、韓国との間に締結された所謂「慰安婦」問題に関する合意書もそうでした。今年の正月天皇皇后両陛下がフィリッピンを公式訪問されたとき、フィリッピン人女性たちの中で戦時中日本兵の性欲の餌食にされた人たちが両陛下に会いたいと日本大使館に出向いたのに、大使館は受け付けようとしませんでした。日本軍の性奴隷制の犠牲者が韓国人女性に限られなかったことは既定の事実であり、日本が彼女らに対して真摯に謝罪したいのであれば、国籍の違いは問題ないはずでず。「慰安婦」問題をめぐって日韓の間が長年こじれており、それが米国の東アジア政策に困難な状況を作り出している、という認識に立って日韓の政権が太平洋の東の大国を気にしながら到達した合意であったとしか思えません。
米国も、安倍首相が謝罪しないということは、オバマ大統領が広島で謝罪しなかったことを「理解」してくれた、だったらおあいこだ、という浅薄な政治的思考が透けて見えます。相手に対して行った悪事を認め、謝罪して初めて和解は成立するはずです。

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